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July 09, 2005

「大いなる休暇」感想。

作品の評価:☆☆☆☆
好き度:☆☆☆☆

銀座のシネスイッチは、金曜が女性900円デーなのです。
たった100円しか違わないのに、エライお得感があるなあ!
他も追従するといいのになあ。

ということで、久しぶりに単館映画を見て来ました。
midoroは小難しい映画やアート系作品が苦手なので、
単館でフランス語でカナダ映画とか聞くと、
いつもだったら腰が引けてしまうところですが、
これは全然大丈夫!純粋に楽しめました。
だって、あらすじを聞いただけで、もうたまんないって!

舞台はカナダのケベック州に属する、
ある小さな島です。人口たった125人の寂れた島で、
昔は盛んだった漁も今は廃れてしまい、
男たちは仕事もなく、生活保護を受けて
何とか暮らしている毎日。

そんなある日、この島に工場誘致の話が
持ち上がります。工場が島に出来れば、
慣れ親しんだ島を出なくても、仕事を得て働くことが出来る!
でも、工場誘致には、この島に医者が住んでいることが
条件なのです。そして、島には医者がいません。

医者を!医者を探せ!連れて来い!
そして、何としてでもこの島を気に入ってもらって、
ここに住んでもらわなければ!と
とりあえず1ヶ月のお試しでやって来た医者に対し、
「素朴で人情味溢れて過ごしやすい素敵な島」
を演出しようと、島民総がかりで
あの手この手の作戦が展開されます。

もうねー、ほとんど文句を付けるところがナイ。
作品世界がたいへん美しく出来上がっちゃってるから
ツッコミようがないんですよ。

挟まれるちょっとしたジョークやギャグも
最初の内は、くだらねー、これって笑えるか?
と微妙だったのに、ドリフとかと一緒ですね。
古典的ネタだ、アホだなあ、と思っていても、
映画に引き込まれてその世界に馴染んで来ちゃうと、
もう何やっててもおかしくて仕方なくなります。
なので、久しぶりに斜に構えず、
オープンマインドで笑って来ました。
最初は控えめだった観客たちの笑い声も、
最後の方はもう遠慮なし!
どっかんどっかん大ウケでした。

だって、医者を騙す手際がほんとすごいんですよ!
医者が賢くて疑い深い人だったら、到底無理な
作戦の数々だけど、そこはテンションで乗り切ってしまいます!
小汚いおっさんたちが一生懸命知恵を絞って、
ドタバタドタバタ!もー可愛くて仕方ないってば。

あと、仲間内で揉めて喚き合いのシーンになると、
もう字幕が一切付かなくて、何がなんだか
ひたすら怒鳴りあってるだけになるのが
リアルで笑えました。
訳のわからん外国人の怒鳴り合いを
キョトンとして眺めてる、って
その場に自分もいるみたいな臨場感。

そして、役者の演技と脚本が非常に良いです。
医者は最初、「ああ、こんなダメ医者なら、
騙されても仕方ないや!」って存在なので、
住民たちのクサイ演技やベタな
仕掛けが綺麗に決まると、もう嬉しくて、
やったね!ってこっちも喜んじゃいます。

そのうち、この騙されやすい
マヌケな医者のことが、段々好きになって来ちゃうのです。
彼を騙していることに罪悪感を覚え始め、
彼の笑顔にいたたまれなくなって来る。
彼を騙していることがひどいことに思えて来ます。
そこで、島民たちは・・?

とにかく、脚本に無理がないので、
登場人物たちの気持ちの動きに
付いて行くのが非常に楽です。
一緒に笑ったり悲しんだり。
医者役も、騙されてるのを知らない
無垢の演技がすごく上手でした。
あんなへなちょこ兄さんなのに、
バスローブが似合う辺りがさすが外国人。
全然ハンサムとかじゃないのに、
(ていうかこの映画、ハンサムが1人も出てこない・・)
時々えらい魅力的に見えます。

あと、単純に医者を騙すだけで全編を引っ張るんじゃなく、
平行して別の問題が持ち上がり、
今度は融資や人口のことで揉め始めるのも
変化があっていいです。騙す対象が更に増えて大変です。

ラストも一捻りしてあって、単純にハリウッドっぽい、
都合の良いおとぎ話風ハッピーエンドには
しなかったところが好感持てます。
これで、ただの「物語」じゃなくて、
ぐっと現実味が出ました。

文句があるとしたら、邦題?
この邦題は原題どおりだけど、とっても損してると思う!
だって、抽象的で、一体何のことかわかんないし、
こんなおもろい話だって全然想像付かないんだもん。
それだけが勿体ないかなあ。

ということで、シンプルでユーモアに溢れて
ちょっぴりホロリとさせられて、
ほんのりブラック風味、なんて、
ほんとソツのない佳品の映画でしたよ。
ツッコミどころ満載な意味なしアホ映画も好きだけど、
過不足なく、必要なものだけ計算されて
丁寧に作り込まれた上手な映画って、
やっぱいいですね~。

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