「炎のメモリアル」試写会感想。
作品の評価:☆☆
好き度:☆☆☆☆
【公開前ですので、少しでもネタバレしたくない方は
お気を付け下さい!!】
ああー、しまった、完全に泣き損ねました!!
人を泣かせることを第一目的として作られた(かのような)
感動のヒューマン・ドラマだったのに!!
ずっと普通のエンタメだと思って見ていたので、
「えっ、これで終わっちゃうの?」と
思いっきり肩透かしを喰らいました。
自分が悪いんだけどさ。
「バックドラフト」とかそういうノリの
感動アクション火事映画を想像してたんですよ。
そしたら、allcinemaONLINEからの引用ですが、
「人命救助に人生を捧げた一人の消防士の
成長の記録と、家族や仲間たちとの強い絆」
ってほんとこのまんま!!
他に何の捻りもありません。
そんないかにも泣かせ映画っぽい内容の割には、
ラストが案外あっさりしていて、あれっ?って感じでした。
もっといくらでも撮りようがあると思うんだけど、
いやらしかったり、重くなり過ぎちゃうのを恐れて、
あえて抑えたのかな?
これって、9・11で亡くなった消防士の方たちへの
追悼の意味も込めた真面目な作品だったそうで。
だから、わざとらしく泣かせるために、皆の心を
わし掴みにするようなハリウッド的お約束感動ネタを
あえて盛り込まなかった、ということなんでしょうけど、
でも、ほんとのところ、泣かせようと思って失敗したのか、
なるべく普通に冷静に撮ろうしたのか、
どっちだか良く分かりませんでした。
脚本が悪いのか編集が悪いのか、
構成も間が抜けています。
現在のピンチのシーンの途中で、突然、過去の
平和な生活のシーンに戻ってしまうので、
せっかく緊張感が高まったと思ったら、
また盛り下がっての繰り返しで、
テンションを維持出来ません。ぬるい。
ストーリーに変化を付けるため、そして、
幸せだった過去と現在を対比させることで、
現在の苦境を強調したいんだということは分かるけど、
アクションでこの構成をされるとキツイです。
建物の爆発・崩落シーンや炎にいくら迫力があっても、
怖いのは一瞬だけで、すぐに気が緩んでしまいます。
「こんなに皆仲良しで愛し合って幸せで
頑張って働いて人を助けてそれを誇りに思って
なのに大事な人を失って傷付いて
それでも戦って、そして・・」
っていうのをだらだらとひたすら見せ付けられて、
途中、ちょっと退屈しました。
もっとクライマックスに向かってスピードを上げて欲しかった。
ドキュメンタリー映画なら、
これでも全然問題ないんですどね。
でも一応エンタメ作品なんだろうし、
観客をハラハラドキドキさせてやろう!とか、
盛り上げてやろう!ぐいぐい引き付けて行ってやろう!
というサービス精神が希薄に感じられたのは残念です。
でも、消防士たちのほんわかギャグシーンや
お茶目なシーンにはクスクス笑わされたし、
個々のネタはとても良かった。
火災が起こらないときの消防士たちが
どれだけふざけて遊んで(英気を養って)いるか、
それなのに、いざ火事が起きたら、どれだか速く駆けつけて
プロの仕事をこなすか、それがどれだけ大変な仕事か、
いろんなエピソードを積み重ねて、
消防士の素顔、みたいなのを
詳しく描いていたのは良かったです。
まあ、ホアキン・フェニックスを笑うために
見に行ったので、なんだかんだ言って、
充分目的は達したんですけどね。
あのムチムチ感!濃い顔。たまりません。
消防士役が似合い過ぎててますますおかしかった。
ああいう消防士、実際にいると思います。
隊長役のジョン・トラボルタも可愛かった。
なんだかんだ言って、この人イイんですよね。
デカくて頼もしくてキュートです。
しかし、このダサい邦題はどうにかならんのか!
「炎のメモリアル」な時点で、内容を予測すべきでした。
「LADDER49」で何が悪いっちゅーの。
意味が分からんって?そんな題名いっぱいあるじゃん。
「アビエイター」って何だよ、知らねえよ!とか。
語呂だって、「炎の・・」より、こっちの方がいいはず。
ラダー・フォーティーナイン。いいじゃない。
あと、この試写会の会場は、
科学技術サイエンスホールだったのですが、
ここ、映画館じゃないので音響が粗くて、
やたら「ドカーン!バリバリ!」と音が割れていたのが
逆に生々しくて臨場感があり、
爆発のシーンなんてすごくいい感じでした。
これは得した気分!
ところで、この映画を見て、
消防士たちの日常にニンマリさせられ、
また、彼らの仕事の大変さ、
命を賭けたプロの仕事ぶりに
感銘を受けた方には、是非、
講談社ミステリのメフィスト賞でデビューした
日明恩(たちもりめぐみ)さんの2作目、
「鎮火報 Fire's out」をオススメしたいです。
ミステリ作家の方が書く消防士小説なので、
火事の裏にはある事件の謎が隠されており、
主人公の新米消防士がその事件に関わりながら、
自らも成長して行くというお話です。
クールな作者の視点と主人公の性格の熱さの
バランスが良いし、テーマは重いのに、
読みやすい軽妙な語り口とのギャップも魅力です。
それに、消防士の外から見えない地味な仕事や
心構えまで、こんなに詳しくページを割いて
描いた小説ってあるのかな?しかもエンタメでさ。
消防士たちもキャラ立ちまくりです。
皆、プロだし、いろんな意味で男前なのです。
そして、我々からは消防隊の仲間のように
思える警察との意外な確執なんかも面白い。
主人公と一緒に熱くなったり怒ったりしながら、
最後にはやっぱりジーンとさせられてしまう、
読後感の爽やかな作品なので、ほんとにオススメ。
でも、まだ文庫本化されてないんですよねー。
単行本は1,800円もするからなあ。
図書館で借りたmidoroですが、
も1回読みたいです。
【以下、ネタバレ注意!!ツッコミます】
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今回は、私ならこう撮ってやる!!っていう箇所と、
「ええっ現在の消防ってそんなんですか!」
っていうツッコミどころが異常に多かった。
まず一番惜しかったのはやっぱ構成?
オープニングで、消火活動中にピンチに陥った
現在のホアキンの姿を描き、
その苦闘の様に、彼が消防士になってから
現在に至るまでの過去の10年間をフラッシュバックさせ、
現在のシーンの間に過去を浮かび上がらせています。
その過去の10年間の間には、
何度も危ない目に遭うシーンがあるのですが、
ホアキンも主要メンバーも、ラストの現在の時点までは
生きていることがもう確定しているので、
いくら過去のシーンで苦労していても、
「別にここで死なないしー」とか思ってしまって、
あんまりハラハラドキドキ出来ません。
アクションシーンの床が崩落、とか蒸気がブシュー!
の場面も予想の範囲内で意外性に乏しい。
逆に、現在のピンチのシーンで、
ホアキンはどうなっちゃうの!助かるの?
とドキドキしているのに、すぐまた過去のシーンに戻って、
消防士仲間との友情や家族の愛情を描くので
緊張の糸は緩みっぱなし。
これはもう、最初にホアキン大・ピンチ☆を描いたら、
後はずーっと過去にして欲しかったですね。
途中で現在を多少混じらせてもいいけど、
壁を壊し始めるシーンから後は怒涛の勢いで
クライマックスまで持って行って欲しかったです。
あそこでまた過去に戻す意味が分からない。
せっかくいいところなのに。
そして、ツッコミどころですが、
初っ端、ホアキンが新米消防士として
消防署にやって来るシーンなんですけど、
どう見ても30過ぎのおっさんなので、
え、あんた、前職は?
ここに来る前、何やってたの?
何で消防士になろうと思ったのさ?
と疑問がいっぱい。
彼の事情や背景が全然説明されないので、
???こいつはナニモノなんだ?と思っていたら、
どうやら20歳ぐらいの学校出たての若造、という
設定だったらしいですね。
でも、10年経っても全然見た目変わってません。
10年後にようやく設定年齢が追い付いた!
そして、消防士の装備が昔からあんま進化してない・・?
これは別に映画のせいじゃないかもしれませんが、
皆、デカいヘルメットが邪魔になるから
すぐ取ってしまったり、きちんとアゴ紐を締めずに
ブラブラさせているのが心配でした。
そしたら、ホアキンは床が崩落して落っこちて
思いっきり頭打ちました。アホです。
ちゃんとメットしとけ!
そしてホアキンは救助の歳、単独行動ばっかりしてますが、
消防士って刑事と一緒で、常にペアかと思ってました。
1人じゃ倒れてる人を見つけても運び出せなくない?
1人が介抱している間、1人が退路を確保するんじゃないの?
あと、消防士が建物の内部ですぐ行方不明になってますが、
発信機すら付けられないのか、この現代で!
ちょっとショック。レーダー使え。レーダーを。
そして、火災のシーンはやたらすんごい
大爆発を起してましたが、実際ってあんなもんなんですか?
普通のアパートも大爆発!古いビルも大爆発!
ここは化学工場か石油タンクか!ってくらいの勢いでした。
粉塵爆発とかバックドラフト現象とか色々あるんだろうけど、
何でそんな燃えるんだ?
そういえば、火事についての説明って何もありませんでしたね。
あと、ビルの横にドラム缶が置いてあって
それに引火して爆発してるシーンがありましたが、
あんなの消防隊が到着したら、普通は速攻で取り除くんじゃ?
あと、良く分からなかったのが、ホアキンが
11Fにいることが何で他の人に分かったのかということ。
「8Fから11Fまでは全部同じ作りだ」って言ってたのに。
8Fまで落ちてたら多分死んでるだろうから、
生きてるってことは11Fとか?
落ちたホアキンは、全く動けないし、
口から血を流してたので、てっきり肋骨折って肺に刺さってたり、
足を骨折してたり、下手すると背骨を・・?とか思ったのに、
いよいよ危なくなったら、なんか普通に動いてましたね。
これぞ火事場の馬鹿力。
そして「壁を壊せ」と言われてましたが、
あれ、コンクリとか鉄筋だったら一体どうするの?
その辺は図面に載ってるのかな?材質も?
ホアキンが何も壁を壊す道具を持ってないのも変でした。
消防士って、斧みたいな破壊器具を腰に下げてるよね?
落下したときに落としちゃったとか?
そんなシーンあったっけか。
んで、midoroのすごい勘違いですが、
ホアキンは絶対死なないとなぜか思い込んでました。
だって主人公だし。ハリウッド映画なら助かるし。
死んだみたいに扱われてるけど、ほんとはまだ死んでないよね?
どうせ助かるんでしょ?とかずっと思ってました。
きっとあそこは実は防火対応の部屋だったとか、
たまたま隙間にいて燃え残ったとか。
そしたら、ほんとに死んでました。
葬式のシーンでビックリしました。
そういえば、宣伝コピーにも
「全力で生きたあなたが、誇りだった」
って思いっきり過去形で書いてあったね・・。
マンガみたいな都合の良いハッピーエンドじゃなく、
現実にもあった消防士の死を、リアルに
描いた作品だったんですね。これは失礼!
でも、生きてると思ったのも無理ないよ!って言い訳。
決定的なシーンを何も写さなかったんだもん。
これってやっぱ、9・11で亡くなった消防士さんたちの
遺族が見ていて辛いから?
ああいうときは、「ああっ、ホアキン死んじゃった!」
って誰にでも分かるようなシーンを
入れて欲しいんだよなー。
もちろんそんな、死体を見せる必要なんてないけど、
瓦礫が上にどさどさ崩れて来るとか。
散々、泣けないとかあっさりしてるとか文句言ってますが、
midoroがちゃんと正しく見てたら泣けたのかもしれません。
うーん。でも、ほんとホアキンの最後のシーンは
もっとフィーチャーされても良かった気がするけど。
「ドアを閉めろ!」って閉められちゃったのは
ヒドくて良かった。ちょっと笑った。
あと、私なら、ホアキンが「愛してると伝えてくれ」
というシーンに、後で使ってた、テレビを楽しそうに見る
子供たちと、妻の映像を被せるね!
交互にやるね!ここに、過去の映像を
ババーッと持って来るね!
それと、ラストの、ホアキンが火に巻かれていて
危険すぎてもう救助は無理、撤退しろっていう
クライマックスのシーンは、どうせなら、
「救助隊がすぐそこのコントロール室にいる
ホアキンを発見。もう目の前に姿が見えてるのに、
足元の床は全部崩れ落ちてしまっていて、
断崖絶壁状態。必死で試行錯誤するが、隊員たちには
そこを渡ってホアキンを助け出すことがどうしても出来ない。
・・見詰め合うホアキンと隊員たち。
無情に響く「撤退しろ」という無線の声。
それでも足を動かすことが出来ない隊員たち。
そんな隊員たちに向かって、
ゆっくりと敬礼をするホアキン、
煤と血でお互いどろどろになった顔に
涙を光らせながら、敬礼を返す隊員たち。
・・やがて崩れ始める天井。
それをきっかけに踵を返す隊員たち。
隊員たちが出て行くと同時に
一気にホアキンの上に崩れ落ちる天井、
柱とコンクリートの塊。
立ち込める埃と煙でそこにはもう何も見えない・・。」
ぐらいどーよ!え、いやらしすぎる?
ジェームズ・キャメロンか
ジェリー・ブラッカイマーなら平気でやるな!
いやー、でも本気で泣かせたかったら、
このぐらいやってもいいだろうー。
だって、試写会、すすり泣いている人が
左右に2人くらいしかいなかった気がします。
そんなんでいいの?皆、一生懸命涙を堪えてたとか?
ラストで、笑顔のホアキンがモノクロの写真となって
静止するシーンは、完全にドキュメンタリーの
手法ですよね。ダサかった。わろた。
あと、小ネタはほんとに良かったです。
ガチョウは可愛かった。隊長のパンツも可愛かった。
ニセ神父の告解も良かった。
音楽は何だかすごくカッコ悪く聞こえました。
「ここで感動させます!」みたいな。いかにもでした。
クリスマスの教会礼拝のシーンで、
皆が「神のみ子は今宵しも」を賛美して
すごくいい感じになってるのに、
あえて途中で音を消して、そこに別の変な歌を
被せるという、コテコテのやり方もダサかった。
ということで、ツッコミどころの多さと
小ネタは良かったけど、
映画としてはとても単調な作品でした。
でも、こんな長文感想を書いている時点で
何気に面白かったんだと思います。
結局、消防士が好きなのよ。
そして自己犠牲ネタに弱いのよ。
好き度を上げておこうっと。



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