« ブラピが。 | Main | 「キムカツ本店(恵比寿)」 »

January 14, 2005

映画「オールド・ボーイ」超感想。

作品の評価:☆☆☆☆
好き度:☆☆☆☆☆

原作の漫画を読んで面白かったから見に行ったんだけど、
予想を遥かに上回る出来の良さ!
さあさあ、語るよ、行きますよ~!

もう、R指定映画大好き!!セックス!血!暴力!
カンヌグランプリは伊達じゃなかった。
タランティーノが絶賛したのも納得です。
バイオレンスに洒落っ気やユーモアが
絶妙にミックスされてて、
これらは原作にはなかった要素なので
監督のセンスを感じます。

ただ、普通に期待して見に行ったら、
なんだぁって思うかもしれません。
やっぱり元が漫画だけあってか、
人によっては馬鹿馬鹿しいと思うような
軽いノリの部分もあるし、
最後も衝撃的ではあるけど、
結局目新しいオチではないし、底が浅いといえば浅い。
でも、小難しいこと言わなければ
エンタメ作品としては充分の出来だと思います。

私は、原作とどう違うのか比較してやろう、
まさか変なオチにしないだろうな、大丈夫か・・?と
作りを疑いながら見てたクチなのですが、
漫画で説明不足だった部分を埋めて、
物語の骨子を利用しながら、全く違うエピソードを創造し、
それらを絶妙に組み合わせて、
「オールド・ボーイじゃないけど、これも一つのオールド・ボーイ」
といえる作品を作り上げた
監督の技量にほんと脱帽しました。
すごい才能が出て来たもんだ。

普通、原作付きの場合は、
映画を見てから原作を読んだ方がいいと言います。
映画で説明し切れなかった部分を
原作が丁寧に補完してくれるし、
原作を読んでしまった後だと、自分の頭の中に
その作品のイメージが出来上がってしまっているので、
映画がそれを壊してしまったり、
改変されている部分が不満に思えて来てしまう。

でも「オールド・ボーイ」の場合は逆でした。
映画を先に見てしまったら、後で原作を読んだとき
つまらなくなってしまうと思う。
映画の方がシャレてて華やかでカラフルだし、
原作は普通にハードボイルド、男の漫画って感じなので、
えっ、そんなつまんない地味なオチでいいの?って
物足りなく思ってしまうはず。

映画「オールド・ボーイ」は、
映像でしか出来ないことを沢山やってます。
台詞の間合い、音楽、部屋の装飾に色使い。
アクションのタイミングやスピード、
絶叫、そして流れる血。
このぐらいやってくれなきゃ、
原作付きを映画化する意味ないよ!
ああ何て世間には意味のないリメイクや
映画化した意味のない映画の多いことか・・。

映像にこだわっただけではなく、
ストーリーには推理物のような伏線と
謎解き要素まで新しく投入して、脚本も重層的になりました。
しかもこれだけ色々やっといて、
最後はなんと「せつな系」!(midoro的にはね。)
もー盛り沢山ですよ!
120分とはとても信じられない濃さでした。

映画を支える役者陣がこれまたスゴイ!
主役のチェ・ミンシクは最初、登場したとき、
「げっ、これが!?ただのおっさんじゃん!」と思って
ガックリ来たのに、監禁生活を経た後では
全くの別人になってます。
いくらダイエットしたとはいえ、
立ち姿のカッコ良さが天と地ほど違う!スーツ、萌えー!
この役者自身と役柄の持つ原作にはなかった要素、
小汚さ、情けなさ、アホっぽさ、そして可愛らしさに
人間的魅力を感じて共感してしまった分、
ラストの衝撃には言葉を失います。

そしてヒロインのカン・へジョン!
か、可愛い~!!この子、可愛いよ!
最初、変な厚化粧をしてるので、老けてんなあと思ったら
化粧を落として素顔になったときのキュートなこと!
顔だけじゃなくて、雰囲気とか演技とか
めっさ魅力的です。
悪役のユ・ジテも、キモくてサイコで素晴らしい。
キャスティングも大層イカしてます。
子役なんかもすごい似てたしね。

なので、こんなに完成度の高い映画を
ハリウッドでこの後、
一体どうやってリメイクするつもりなのか、
めっちゃ楽しみです!!!
無難に踏襲するのか。
もっとシブイハードボイルドにするのか。
全く別物のアホなB級復讐バイオレンス物に
してしまうのか。絶対そっちも見に行きます。
キャスティングが楽しみだなあ~。

【以下はネタバレ、ご注意下さい!】
       ・
       ・
       ・
       ・
       ・
       ・
       ・
       ・
ところで、監督のユーモアセンスは一体何なの!?
なんで生き蛸を丸食いさせる必要があるの!!
口から足がにゅるり~ですよ!
これ、アメリカでリメイクするとき、
一体どーすんだ!?カットか?
アメリカ人が蛸の踊り食いなんてあり得ない。
他の食い物に変えるのかなあ。

あとねー、武器がトンカチなのもすっごいツボ。
可愛いよ!トンカチ振り回してダッシュしたり、
背中にナイフぶっ刺さされたまま
20人倒しするしさー。
こんなショボくて可愛くて、
なのにあれほど強くて素敵なおっさんなんて、
若い女の子が好きになっても
おかしくないや!やけに説得力がありました。

映像的には、アクションシーンをあえてカット割らずに
狭い通路で一気に撮影してたのが斬新です。
すごいリアルっぽかった。目が離せません。
もし広い部屋での格闘だったら、あれだけ人数がいては、
囲まれてから集中攻撃されて絶対勝てないだろうけど、
狭い廊下で一度に相手する人数が限られていたから
何とか倒すことが出来た。見せ方が合理的です。
追加兵まで倒しちゃうのはちょっと強すぎるけど。

それから、最初の屋上から男をぶら下げたシーンと
ダムのシーンをリンクさせたのも上手いと思う。
ちょっとあの身体を支えてるバランスがウソ臭いのは
引っかかるけど、まあ漫画っぽくわざとだってことで許すとして、
ウジンが姉に伸ばした手と銃の引き金を引くシーンを
繋いだ手際は素晴らしかった。
エレベーター内でウジンが吹っ飛んだときの
速さにもびっくりしたし。

ストーリーについては、
日本とは比べ物にならないくらい
韓国であの結末はヤバかったんじゃないの?
超問題作だよね?そんな映画を良く作ったなあと
監督の度胸の良さにも乾杯です。

そして、オチを変えたおかげで、
原作ではあまり説明のなかった
催眠術という設定が生かされたのも良かった。
復讐するために催眠術をかけて、
無意識化で反発があるかもしれない
近親相姦というタブーを破らせ、
更にそれを忘れさせるために使ってます。
原作では催眠術を「愛したものを奪われる不安」
「誰かを失う孤独」をもたらす
恐いものとして使ってますけど。

ちょっと疑問なのは、原作では「監禁」ではなく
「軟禁」したことに意味があって、
彼を内から変化させるために影響を与えるような小道具として、
テレビが使われていたけど、
映画だとテレビが与えられた意味、あまりないよね?
だって、原作では目的=「軟禁」=「実験(興味)」だったけど、
映画では目的=「監禁」=「復讐(嫌がらせ・・)」だし、
復讐にテレビは必要ないじゃない?
まあ、テレビがないと、
シャドーボクシング試合も出来ないし、
あんなに強くなれないから、使うしかないんだけどね。

でも、原作とはやっぱりテーマが違うのが
これで明確になった気がします。
原作のテーマは「魂の孤独」だったもんね。
って文字で書くと一言で終わっちゃうのが寂しいけど、
映画は、そうだな。「愛と罪」とか?
だから原作の方がテーマが理解されにくい分地味で、
映画は分かりやすいだけに単純。
同じなのに全然違う作品。
それが「オールド・ボーイ」ってことで!
あー原作も映画も両方面白かった!幸せ!

|

« ブラピが。 | Main | 「キムカツ本店(恵比寿)」 »

Comments

What's up to all, how is everything, I think every one is getting more from this web site, and your views are pleasant in favor of new viewers.

Posted by: site rencontre cougar | July 01, 2014 at 13:13

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61026/2567198

Listed below are links to weblogs that reference 映画「オールド・ボーイ」超感想。:

« ブラピが。 | Main | 「キムカツ本店(恵比寿)」 »